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2006年1月31日 (火)

「申公」の証言(その5)


(左上「水晶冠」右上「田園」左下「大団円」右下「如意輪」)
 「申公」はその他にも様々な♂親との交配で力を発揮しています。今回は、「申公」を直接交配した一例をご紹介いたしましよう。
・「水晶冠」 藤紫色の花弁にキラキラ光る三段弁がとても美しいものです。これは、3213(「申公」×(初鏡×跳珠)♂)です。
・「田園」 たっぷりとした外弁と湧き出るような緑褐色の三段弁は侘び寂があります。これは3224(「申公」×佐渡の幻F1♂)です。
・「大団円」 多弁の外弁と三段弁がボリューム一杯の花です。これも3224(「申公」×佐渡の幻F1♂)です。
・「如意輪」 藤紫色のたっぷりした多弁花に明るいグリーンの三段弁が湧き出る様に溢れます。これは3214(「申公」♀×(豪姫×王様)♂)です。
 この様に片親を変えるだけで、三段咲き一つをとっても色々と多様化して楽しいものです。
「申公」の特徴としては、「意外に弁化しやすく三段の場合も良く開くが、時に開きすぎて止まらない」という特徴があります。おそらくこの花自体が幾つかの日輪、二段、三段による分離のF2と思われますが、花を大輪化する事や株を大型化するところ等は、初期の「跳珠F」のイメージも絡んできます。(余り血が濃いとは思えませんが) もう一度、ヘラを拾って更に中心の纏まりをつければ今以上に良いと思い、色々と実践しています。
 何にしても、これから様々な♂親が増えるにつれて、まだまだ多様化出来そうな「申公」です。・「完」

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2006年1月30日 (月)

「申公」の証言(その4)


     (「仙の倉」 彩の華オリジナルの傑作の一品です)
 たった一鉢だけ残った交配番号「1338」のヘラシベ。とりたてて大輪でもなく、濃色でもない普通のこの花に、取敢えずの願いをこめて「初跳」を交配してみました。
 「申公」を入手したときに聞いた「大輪の三段が咲く」という言葉を信じて、又、赤三段「3330」の力を信じて、交配番号「3524」・(申公×3330)♀×(初鏡×跳珠)♂の交配を試みました。
 弥彦の血が意外に濃いのか、3年後に咲いた花は何れも紫色が多く、赤花は少ないものでした。
花は、と言うと予想通り三段咲きから中間タイプ千重咲きまで様々で、初花は期待に添わず何れもやっと咲いた様な小さなものばかりでした。
 「やっぱりそんなものか」と思いながらも特徴のあるところを数本選別して、一年後の花を待ちました。
 本葉が展開するといきなり以前とは比べ物にならないほど大きくなり、翌年になり、花が咲いてくるとなんとも凄いボリュームの三段や千重の大輪花が咲いています。
 「こりゃー凄いや!!」。自分の棚を見て思わずうっとりです。写真上の花は「仙の倉」と銘した三段で、今年は更に大きく4cmを越えました。下の写真は「玄海」で、やはり大輪の複色千重咲きです。
 あれから10年の歳月が流れ、今尚、親としての力を発揮する「申公」の凄さに、改めて雪割草の可能性を垣間見た様な気がします。     つづく。

      (「玄海」 大輪の複色千重咲きで迫力ある秀品)

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2006年1月29日 (日)

「申公」の証言(その3)


     (「天輝」 紫と緑のコントラストが抜群の花です) 
 「1338」 これが(申公×3330)の交配番号です。
 この時に交配した「1338」は全部で20粒程採種できて、翌年には17本が発芽しました。幸い苗の生長も良く、本葉も大きくなり、17本共に元気に花芽を着けてくれました。
 ドキドキ、ワクワクしながら「スゲェ花」が咲くのを楽しみにしていると、この頃より「交配したいので三段「3330」のF1が欲しい」と言う方が増えてきて、何本かはお嫁に行きました。
 芽口が割れて花芽を持ち上げてきたので、楽しみに覗いてみると「オオー、三段だ~!」。隣のポットを見ると、又「三段だ~!」、そのとなりの苗も「三段だ~!」、もう、三段のオンパレードです。
 結局、人に渡したものも三段咲きが咲いた様で「三段が咲いて何にも使えなかった」と文句が相次ぎ(何でちゃんと三段が咲いているのに怒られるんだ・・・泣) 結局17本中14本が三段咲き、残り2本がヘラシベ、1本が標準花でした。
 写真はこの時選別したお気に入りで「天輝」と銘付けたものです。パーフェクトブック2の「輝苑」や「緑輝宝」等もこの時の兄弟です。何れも大輪でボリュームが有り見事な中間タイプです。
 このときに咲いた2本のヘラシベは貴重なものです。1本は所望されて横浜の方へ嫁入りしました。残したもう1本のヘラシベも決して派手な花ではありません。が、その力は更に進化を遂げた「ツワモノ」だったのです。・・・・・・・・・つづく。

あ゛~、進まない、植え替えが進まない~。
今日も一鉢も出来んかった。まだ3分の1しか終わってない。
どーしよ~、終わらない、、、植え替えが終わらない~!! (ただいま精神状態パニック中)

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2006年1月28日 (土)

申公の証言(その2)


    (「赤三段3330」 大人しい花だが力はいっぱい!!)
 銀座松屋の「NHK趣味の園芸フェスティバル」は3月20日前後に開かれるので、「申公」を入手した頃は既に交配花の盛りも過ぎ始めていました。それでも折角咲いている「申公」に何を交配したものだろうか? と、この時に渡金さんより入手したばかりの赤い三段咲きが丁度咲いていたのです。
(それにしてもこのシリーズ、渡金さん良く出てくるなぁ。準レギュラーですね。)
 丁度前年の秋、渡金さんに遊びに行った時に、古い写真のタバを拝見していたら、何やら花粉の吹きそうな赤い三段咲きの写真が目に止まりました。赤い花弁の中に白いオシベが良く目立つ、育種屋が見たらワクワクする様な花です。
トミザワ「これいいっすね。増えてたらちょーだい!」
渡金さん「確か増えてたっけねぇー」
という事で、1鉢お持ち帰りとなりました。
 ラベルを見ると「3330赤三段」と書いてあります。
何この「3330」って、と聞くと「いや~、平成3年3月30日入手ですけぇ」と教えてくれました。そうです、「3330」は決して交配番号ではありません。野生種です。「3330」は佐渡から入手した日の略号なのです。
 三段咲きとしては程々の花であるこの「3330」ですが、丁度、花の終わりの頃ともなりますと勝手に花粉を吹き始めたのです。あたかも「申公」に交配するのにちょうど良いタイミングで、「申公」が来るのを察していたかのように元気に花粉を吹いていたのです。
 「ラッキ~」と思い早速交配、ところが、この交配がこの後、またまたとんでもない結果を生んでくれるとは誰が予想したでしょうか。・・・・・つづく。

今日は販売用の苗室のタイベックも開けて、いよいよ開花準備に入りました。これで、交配室以外は全て明るくなりました。(遮光率30%位)
ちなみに、今日までに芽口を開けた今年の初花芽から、早くも三段咲きを13本見つけました。
早く開花期にならないかな~。

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2006年1月27日 (金)

申公の証言(その1)


(「申公」 銘は封神演技「申公豹」と岩さんの「公」の字の混合)
 今から10年程前の話。
 恒例の銀座松屋「NHK趣味の園芸フェスティバル」に久々に遊びに行った時の事です。
 多くの賑わいの中から、岩さんの「雪割草」コーナーに顔を出すと、相変わらずのおなじみの顔が見られます。
 売り場に並んでいる花を一通り目にしてみるのですが、例によって余り気にいった花は有りません。
 岩さんを捕まえて「何か持って帰る物は無いの」と尋ねると、岩さん、すかさずいつもの調子で、
 「トミサワさん(彼はいつもトミザワの事をトミサワと呼びます) ラッキーだね! スゲェのがあるんだよ。これ使えば巨大輪の三段がドンドン出来るよ!!」
と言って、小さな藤色に緑褐色の日輪咲きを取り出してくれました。
「騙されたと思って使ってみなよ、スゲー三段が咲くよ!」そう言いながら他のものには目もくれず、その花を勧め続けます。
 「でも・・いくらなの」と聞くと「トミサワさんなら○○○○○円でイイヨ!、大サービスだよ」と言うので、「ほんじゃそれもらうね」と買ってきました。
 家に帰るとラベルに「紫・三・大リン・ホニャララ」とよく解らない鉛筆のミミズ字で書いてあります。
 とりあえず花が咲いているうちになんか交配しておこうかな・・。
 さてさて、この花が後にとんでもない♀親になるなんて、このとき誰が想像したでしょうか?・・・・・つづく

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2006年1月26日 (木)

並跳の証言(その4)


      (左が「並跳Q」 迫力の差がわかりますか?)
 或る3月のお話。
 浦佐のA氏と共に渡金さんの作場にお邪魔しました。目的はもちろん「跳珠」のF1達です。
 残念ながら「初跳」の方は早咲きが多く、既に花も終わりの頃でしたが、「並跳」の方は花盛りです。
沢山の花を眺めて探し物。目的は一つ、最高の「並跳」を探し出す事です。
 じっくりと眺めていると「オオ~!」と目の前に飛び込んできた「別格品」が2鉢、どちらも大型で、花肉も厚く、がっしりと太い茎に咲いています。
 「うひゃ~、こ・これは凄い!!」まるで別格です。
 すかさず鉢の記号を見ると「」と「」。
(その後、この2鉢は「QPちゃん」と呼ばれています)
 渡金さん「いや~。見つかっちゃったねぇ」。
 凄い、凄いけど・・・・どちらも1鉢で1芽づつです。
 「ね・ね・絶対これ、増えたら1番最初にチョーダイ!!」とお願いすると、しつこく言った甲斐もあってちゃんと一番に分けてくださいました。(渡金さんは神様のような人です。)
 1/23日に掲載の写真はまだ未完成の写真です。もっと実物はオーバーラップして迫力があります。
 おそらく、数ある「並跳」の中でもこの2鉢は別格でしょう。葉なんて跳珠そのものです。ただし、殆ど数が無いので、世に出てくる事は当分無いでしょう。お願いしても無駄ですよ。(自分の事は棚に上げてる)
 一昨年はこの「並跳Q」に「将軍」を交配してみました。取れたタネは一粒。もうひとつ「並跳S」に交配した方もやはりタネは一粒です。もう、本当に貴重な貴重な「将軍F1」1粒づつデス。だけど・・・・・
 アッ、そういえば「並跳」はタネが少ないときは「三段」が咲いてしまう事がしばしば、、、ゲ、ゲ、ゲ。
 「たのむ~、お願いだから絶対にヘラか標準花が咲いてくれ~!」。
嗚呼、摩訶不思議なり「並跳」。
                     とりあえず「完」。

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2006年1月25日 (水)

並跳の証言(その3)


   (「紅武州」 しばらく花粉を使わなかったのが悔やまれる)
 せっかく「並跳」を入手したので、同じ巨大輪どうしの「紅佐州」を交配しました。
「大物どうしだから凄い花が咲くぞ」と期待しつつ見守るように管理して、とりあえず2粒の結実を確認。
いよいよ実るぞ! というときに花茎の先端を見てみると何やら黒いものが。
何だろうと思ってみると・・・・・ヨ・ヨトウムシ!!
「君、何してるの」と覗いてみると・・・タネを



ク・・・くってる・・・・・コイツタネ
喰ってる!!
食事中のヨトウムシ君をポイと捨てて、食事の後を見てみると、ヨカッタ~ 一粒無事だあ~。
この一粒を祈るように待って、とりあえず双葉が発芽で一安心。本葉も無事に出て一年後・・・
「たのむぞー、ヘラか標準花が咲いてくれ~」と願うもむなしく、つぼみを覗くと・・・
あ゛あ゛あ゛三段だ~!
これじゃ何も使えないじゃん。

しかし、双方のよい部分を取り入れたのか、花型はこれ以上無い円弁でオーバーラップしてなかなかのものです。観賞価値はあるので、埼玉の「武州」と「紅佐州」を引っ掛けて「紅武州」の銘をつけてみました。
その後無視していたのですが、昨年はどうも花粉が出そうなので切ってみたら吹くわ吹くわ、いろんな交配を試してみました。
考えてみたら大物2種の交配品なので、こんな良い親はありません。「紅佐州」が幾分外弁が弱いので、しっかりした外弁の花と交配して修正してあげると良いでしょう。
幾多の試練を乗り越えて、ようやく優秀な♂親として生きる道を見出した「紅武州」君。
2年後位には皆様のお手元にも、「紅武州」君の子供たちが棚に並ぶかもしれません。
楽しみにお待ちください。
それにしても、タネが沢山採れると標準花ばかりで、タネが少しだと三段が咲いてしまう「並跳」。
摩訶不思議なり「並跳」・・・・・    つづく。

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2006年1月24日 (火)

「並跳」の証言(その2)


              (「彩景」 あっオシベが見える)
さて、この「並跳」ですが、いったい正体は何なのでしょうか?。
正しくは(赤花標準花33♀×跳珠♂)という交配で、特にこの♂親の33がなかなかの良花なのです。
以前お客様の希望で、渡金さんでこの花を探したのですが、じつは現在行方不明との事でとても残念。(もしかしたらアウトかしら?)
当園に最初に来た「並跳」はまだ番号分けする前のものですが、こいつもかなりの曲者です。
この写真も前回の「一の倉」の兄弟で「彩景」と呼んでいます。この時は2花交配をして3粒と12粒の種を採ったのですが、3粒の方は全て3段が咲いて、12粒の方は全て(と思う・開花前に売ったのは不明)標準花でした。
ところが12粒標準花の方も、それを♂親に使うと当然三段系の花が咲きます。しかもどうみてもちょっと跳珠っぽい花なんですよね。(♀の力だけではないと思うのですが)
なんだろ~ねこの花は。
摩訶不思議なり「並跳」・・・・・・・・・・・つづく。

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2006年1月23日 (月)

「並跳」の証言(その1)


                 (「並跳Q」 別格品だす!)
 ブログも始まったばかりですがまだ開花まではもう少しですので、折角ですから少し雑談をカキコしたいと思います。と、言うわけでみんなが知りたい話その1「並跳」について!
 そもそも跳珠系の三段親が注目されてから数年が経ち、マニアの方のお手元にもF1等が浸透してきましたが、その殆どは渡金農園さんの「並跳」or「初跳」だと思います。
 ところが良く聞く話では「並跳は三段が咲かない」とか「並跳駄目だよ」等の話をけっこう各地で耳にします。
 ≪さて、本当に「並跳」はダメなのでしょうか!!≫
下の写真は「並跳」♀に、当園の知る人ぞ知る三段花粉親514(姫神♀×青嵐♂)を交配したもので「一の倉」と銘しております。
この通りちゃんと三段咲きが咲くのです。
ただし「並跳」は1個体ではありません。沢山あります。(中には絶対外に出無い別格品もありますよ!)
だからそれらの中には、もしかしたら跳珠の血の無い普通の標準花がある可能性も否定出来ません。
花粉の吹く個体もあるようですし。
実は我が家の初代「並跳」君もちょっと気まぐれ君ですが、この続きはまた明日。・・・・・・・・つづく。

            (「一の倉」 複雑な三段弁が素敵!)

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2006年1月22日 (日)

「彩の華日記」を始めました!!


                     (雪の「やまくさ」)
いよいよブログを始めてみました。
タイトルは「彩の華日記」です。
ここでは、日々の出来事や雪割草に関する話、
今年の初花や交配の記録、管理などについて、
リアルタイムで報告したいと思っています。
と、言っても、ほとんど自分自身の日記の様なものですが興味のある方は時々は覗いて見て下さい。
1/21は埼玉でも雪が降り、今シーズン初めての積雪でした。
でも、今日を境に日除け代わりのタイベックを開けて、30%前後の遮光に変更。
いよいよ開花調節に入ります。
今年もうまく開花が合ってくれるといいんですけど。


             (1月22日の雪割草親鉢ハウス)
今日のタイベックを開けた後の親鉢ハウスです。
あとは50%の白冷紗1枚だけですが、高さがあるので30%の遮光率位でしょう。
これで明るくなりましたが、普段は両側のビニールを巻き上げて、更に昼間はハウス両側の換気扇を回してあります。
夜間はハウス用のストーブで3℃位に保ちます。
こうする事によって、明るいけれど間延びせず、色出しも良く、三段咲き等はじっくりと大きく開かせます。
関東で良い花を咲かせるのはけっこう大変です。

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