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2006年3月15日 (水)

始めの一歩(その8)




上・二段♂親「お嬢×紅輝」
下・そのセルフ分離の子供たち(F2)

新しい花を作ろうと思ったときに、必ず着目している花のF1を作ります。これが交配の始まりです。
いきなり当然の事から入りましたが、このF1が♂親の標準花の場合は必ず後にタネが出来ます。このタネを採って蒔いてみると、発芽してくる苗たちはこのF1の分離した子供たち(F2)になります。
良く、このブログで「F1のセルフ分離は好きではない」と書いていますが、実は、この分離によって交配の「始めの一歩」に踏み出せる事もあるのです。
上の写真は当園の二段♂親御三家の一つで交配No.883の知る人ぞ知る「お嬢×紅輝」です。
この、何の変哲も無いピンクの標準花をセルフすると分離により二段咲きが生まれます。
下の4枚の写真はこの「883」のセルフ実生苗です。
本来、ピンク二段の「お嬢」と赤白シベ系の「紅輝」ですから、比較的単純な分離をすると思われます。
ところが、生まれてくる花の中には、網目の花や、白覆輪っぽい花も生まれてきます。これはおそらく、自然状態で「お嬢」や「紅輝」の中にこれらの花芸の遺伝子が過去には存在するのかもしれません。
実は、僕にとってF1のセルフというのはクロス交配の副産物に過ぎません。ところが、この副産物の中には、親よりも着目したい形質を持った花が生まれてくる事もあるのです。
写真の下の二枚は次に進みそうな面白い雰囲気が見られます。そして、分離によりこの花が生まれたと言う事は、このF1を「網目や白覆輪」に交配してみても面白い結果が生み出せるかもしれないと言う予測が可能になるのです。
分離はある意味、花が咲くまで予測不可能です。
単純な交配でさえこの内容ですから、これが3元4元と複雑になると、より、予測不可能な分離を見せてくれます。しかし、その予測不可能な結果が見えた時には、次の交配の予測が可能になるのです。
こんな事もまた「始めの一歩」に繋がるヒントになるのかも知れませんね。

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