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2006年10月 7日 (土)

キノエササランと鈴木吉五郎翁


キノエササラン」 奄美大島で過去に一度だけ発見された珍しい野性らん。この植物も思い出の多い植物ですね。
この植物を最初に知ったのは中学生の時でしょうか。親戚の家に「ものすごく高い野性らんの本があるんだよ」といって初めてみた「原色日本のラン」、
な、何と分厚い本なんでしょうか。
この本の中に聞きなれないランの名前が幾つか有り、その中でも特に印象に残ったひとつがこの「キノエササラン」でした。
この頃より当時、横浜にある「春及園」という殆ど人の家の庭の様な山野草屋さん(?)があり、浅草から京浜急行で一本で行けて便利なのも手伝って、しょっちゅう遊びに行くようになりました。
この「春及園」の園主が僕の最大の師匠(勝手にそう決めてるだけですが・・)でもある故・鈴木吉五郎先生です。
先生は当時はもうそれなりのお年だったのですが、「山野草の神様」としての威厳はそれは素晴らしいもので、植物の世界だけではなく、熱帯魚の世界でも日本で始めてエンゼルフイッシュを輸入した方として大変有名です。
当時、先生は孫ほども年の離れた僕にも大変色々とご教示くださり、「山野草としてのこだわり」や「本作と満作について」等、植物以外にも様々な事を学ばせていただきました。
高校生の頃でしょうか、たまたま拝見していた「富貴蘭」の作場でそのランは大切に栽培されていました。(余談ですが先生は「私は5歳のときに父にねだって富貴蘭の品種を殆どそろえてもらいました」と言っておられました。ものすげーです。)
当時はうろ覚えで、実は「キノエササラン」の事を「サ」が一個抜けて「キノエサラン」と覚えていました。
「キノエサラン・・・木の餌ラン???」などとかなりうろ覚えです。
そのときも頭で覚えていた「原色日本のラン」のイラストそっくりの姿に「これはもしかして「キノエサラン」ですか!!」と問いたずねると、先生すかさず「そうです、キノエササランです。ご存知でしたか」とにっこり。
そーか、エサランじゃなくてササランだったのね。
うらめしそーにしみじみと眺めていると、余りに可哀想に思ったのか10鉢前後しかないのに「良かったら一つお持ちになりますか。これは後は小石川(植物園)にしかないと思います。」と言って花が咲いている小さな鉢を一つ分けてくださいました。
ウレシィ-----!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
この日はちょうど、入会して間もない東京山草会・ラン部会の会合だったので、その分けていただいた「キノエササラン」を持ったまま会合に出席しました。
花の時期とあって、当時から有名なTさんやOさんたちが「キノエササラン」の鉢を卓上に展示されています。でも、あれっ、何かが違うぞ。
そうです、この頃は「キノエササラン」の実物を見た人は殆どおらずに、台湾の「ナカハララン」を「台湾産キノエササラン」として大切に栽培されていたのです。
すかさず分けていただいたばかりの「キノエササラン」を出して比べてみると皆さんビックリ!!
ある人に「これどうしたの・・・」と聞かれたので「吉五郎さんにもらったの・・」と答えると皆さん唖然としていました。ある人はしつこいほどに「どーやって分けてもらったんだ」としきりに聞いていました。ちょっと有頂天ですね。(とにかく植物を外に出さないことで有名な方でしたから・・・僕は色々と分けていただいていたので、結構うらやましがられていました。ちょうど孫に何かあげる様な心境だったんでしょうね・・・きっと・・)
その後、この由緒正しき「キノエササラン」は順調に増殖して、Oさんたちラン部会の人々を中心に色々な方の手にお嫁に行きました。
おそらくは現在栽培されている「キノエササラン」の中で、少しでも東京山草会に絡んでいるものがあれば、それはこの時の株が増えたものです。
その後、しばらくたってから大分のWさんの手によって西表島でもキノエササランが発見されました。
ところがこちらの方は、僕はナカハラランに近いかなと思ったのですが、最近になって「コバナチケイラン」という名の別種として発表されたようです。
こちらの方ももう直ぐ咲くので、開花しだいご報告したいと思います。(さて、どこがちがうかなぁー)
野生ランの販売はなかなか難しいものになってきました。何とか人工増殖にこぎつけたいものですが、今となってはその為のサンプルすら入手困難なものが沢山あります。
今日も、今後入手の見込みが全く不透明な○○シュスラン(ロケットの様なナイスな花ですね)や種子島のイナバウアーなんかがサンプルとして届きました。
やはり「鈴木吉五郎翁」の存在無くして「野生ラン」は語れません。少しでも近づきたいと思うのですが、その功績のすごさはとてもとてもかないません。
でも、多くの野生ランがこのキノエササランの様にいつまでも末永く作り伝えられたら嬉しいんですけどね。
先日「2006~2007・リスト」の発送が終了しました。
そろそろお手元に届く頃と思います。
どうぞご笑覧くださいませ。

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コメント

はじめまして。こちらのプログもちょくちょく覗かせて頂いております。
ぜひとも「2006~2007・リスト」を入手したいのですが、どのような手続きをいたせばよろしいでしょうか。

名無しの権兵衛様、こんばんは。
お問い合わせありがとうございます。
現在、「やまくさ」のホームページを全面作り変えているので、新リストは勝手ながらしばらくの間はホームページ上には掲載されません。
「2006~2007・リスト」は80円切手8枚を同封の上、「やまくさ」宛にご請求ください。
住所は、郵便番号346-0115
埼玉県南埼玉郡菖蒲町小林5855-1
アルペンガーデンやまくさ
です。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

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