奥三河の王様

「ウラジロギボウシ・純白花・曙砂子斑」 素心で芽出しから曙タイプの砂子斑を現すウラジロギボウシ。一部のマニアには古くから知られているが、数は少ない。
このブログも此処の所、遠州や三河の植物づいているので、今回はとっておきの奥三河の名花!!「ウラジロギボウシ」を紹介したいと思います。
何せこのギボウシは、奥三河の一部の渓谷沿いの岩壁のみに見られる、それはそれは珍しいギボウシです。
ギボウシマニアの僕ですが、その中でも際立って好きなギボウシの一つで、その、特徴的な大きな一枚の葉はものすごい存在感で・・・普通の青葉種でもハッと息を呑む迫力があります。
現在は、奥三河の一部の垂直岩のみにしか見られないという貴重な植物で、山渓の「レッドデータブック」でもカメラマンがえらいしんどい思いをして撮影している写真が掲載されています。
色々集めてみると、この「ウラジロギボウシ」だけでも、葉の丸いものや、長いもの、凄く大型になるもの等、多少の地域変異が見られ・・・一説では自生分布地の下流ほど葉に丸みを持ち、上流ほど葉が長く、大きく垂れ下がると言われている様です。
近いタイプのものは、山口県の大島に3箇所ほど自生が見られると言われている「セトウチギボウシ」や、最近、九州の祖母山で発見された「ブンゴギボウシ」等は、裏白で葉の枚数も少なく、良く似たものといわれています。
ただし、学術的に近いものかというと・・・そうでないものもあるようです。
上の写真の個体は「ウラジロギボウシ」の青軸純白花で、葉に芽出しから曙状の砂子斑が入る2芸品で、自生量の少なさから考えるとかなりの珍品といえるでしょう。
一部の愛好家には古くより知られたものですが、意外に目にする機会は少なく、当園でも10年前ごろよりコツコツと増やしておりました。
タネを蒔くと殆どが幽霊になってしまい成長しません。
このような「青軸純白花」で「斑入り」という2芸品は、意外にギボウシでは多く見られるものです。
ウナヅキギボウシ「青軸・紀ノ川」やイワギボウシ「白輝晃」等、良いものも色々と見られます。
下の写真は、最近発表された「ウラジロギボウシ」の「白大覆輪」です。
くっきりとした後冴えの斑が美しいものですが、これはタネを蒔いても殆ど青葉です。
ただし、「ウラジロギボウシ」自体が貴重なものですので、毎年タネは蒔いて増やしています。
他にも長葉系の50センチを越す大型のものもあり、いずれのタイプも実生して増殖中です。
近いうちにリストにて販売したいと考えています。
奥三河・設楽地方には、僕の最後の砦の一つ「ヤチシャジン」があります。
情報を集めているのですが・・・まだ自生があるのでしょうか。
ご存知の方・・・是非、紹介してください!!

「ウラジロギボウシ・白大覆輪斑」 この迫力、この美しさ・・・まさに「ギボウシの王様」です。ちなみにこの鉢は伝一の6号シャジン鉢です。大きさがわかるでしょう!!
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アイヤー!ウラジロギボシですか。
私も約20年前、始めて見たときは感動しましたね。石灰岩の崖のはるか上のほうに、一応群生はしているのですが、大きな葉っぱをベローンと垂らしている姿は、まさに王者ですね。花が観たくて双眼鏡を持って通いました。
最近地元の古老(って、オラとあんまり歳、違わないみたい・・・オラは何なんだ)に聞いた話では、葉が2枚出るものが、結構増えてきちゃった、自然交雑が進んでいるのかな?なんってました。
でも増えないですね。20年前水岩石に植えたのは、いまだにそのままです。
私の作場は狭いので、大きなものは苦手なんです。
ヤチシャジン、20年まえ(!)探しましたね。つい最近地元の「学識経験者」の方々が出した「奥三河の植物」と言ふ本をいただきましたが、ヤチシャジン無かったみたい。もっかい観てみます。シデシャジンは良く見かけます。なーんだタチカメバソウあるじゃん、なんて発見がありました。
投稿: 木彫店 | 2007年7月26日 (木) 09時11分
木彫店様、こんばんは。
FAX及びコメント、有難うございました。
ヤチシャジンは「日本の野生植物」で
「愛知県北設楽群設楽町・76・8・8(星野)」
として図版写真が掲載されていました。
だからきっと・・あったんでしょうね。
いまは広島や岡山辺りから攻めた方が良さそうです。
せめてサンプルだけは欲しいですね!!
余談ですが・・・
タチカメバソウの斑入りは渋いけどお勧めですよ!!(今は暗んでますけど・・・)
投稿: やまくさ | 2007年7月26日 (木) 23時48分
初めまして
10年越しの夢が今しがた叶いましたよ
ヤチシャジンが見つかりました。
道路脇の湿ったカヤが生い茂った草むらの中です。
ヤチシャジンの自生地は、まず公開されないので
毎年、開花期に湿地を中心に探してきましたが、今夏は特に力を入れて探したので
念願が叶いましたよ。
投稿: ミッケタロウ | 2018年8月 7日 (火) 17時13分
このヤチシャジンの自生地は、湿地と言うよりか背の高いカヤの生い茂った草むらの中でした。
下は山水が染み出して湿っているかもしれません。
狭い範囲で、そう1メートル四方の範囲に20、30株は生えてるかな
ほぼすべての株が開花してる。丈は1m半はあるかな。周りのカヤはもっと高いから
画像を送ってもいいけど、送り方は分かりません。
あとここは愛知県ではありません。西日本です。
投稿: ミッケタロウ | 2018年8月 7日 (火) 17時20分
ミッケタロウ様
貴重な情報ありがとうございます。中国地方にはまだ自生地が残されていると伺います。
写真も拝見したいですが、細かい情報をいただきましたので雰囲気はとてもよく伝わりました。
お心遣い有難うございました。
投稿: やまくさ | 2018年8月13日 (月) 09時28分
こんばんは
偶然見つかったヤチシャジンのこの自生地は、研究者が自生地として保全してる数ヶ所の内の1つみたいです。
と言うのも自分が偶然見つけた場所と同じ場所と思われる画像が1枚ありました。
一部写り込んだ背景からほぼ確信しました。
画像は、ヤチシャジンの画像検索からヒットする画像ではなく、専門的なサイトに載っている画像ですが、この画像の背景と似たような農村風景はこの地区ではありふれていて、場所を特定することはほぼ不可能です。
この自生地が見つかってから、次は自分だけが知る自生地を探したく思い、山水、湧き水がしみ出る林縁を中心に探しましたが、収穫はゼロでした。
ヤチシャジンを探索する中で、地区に住むご老人数人から話を聞く機会がありました。
花の写真を見せると男女関係なく、昔は普通に見かけたとおっしゃってました。
話しでは圃場整備をしてから地区の自然景観が変わってしまい、いつしか見かけなくなったと言ってました。
ちなみにキキョウやオミナエシ、コオニユリ、カワラナデシコ等は今でも普通に見かけます。
そう考えるとヤチシャジンの環境適応性の幅が極端に狭いために急激に数を減らして行ったと考えられますが、古いタイプの植物かどうかは専門的なことは分かりませんが、元来弱い性質なのかも知れませんね。ここまで見つからないとなると。。
投稿: ミッケタロウ | 2018年8月13日 (月) 23時04分
度々失礼します。
画像はyahoo!ブログに載せました。
https://blogs.yahoo.co.jp/xi6ki
もし良かったらご覧ください。
投稿: ミッケタロウ | 2018年8月13日 (月) 23時13分
ご無沙汰しております。
ミッケタロウです。ヤチシャジンを今夏も探し続けておりますが、まだ前回の一ヶ所だけです。
広島県下には他に4ヶ所あるらしいんですが、残り3ヶ所を見つけようと言うより、自分だけの秘密の自生地を見つけたいんですが、中々簡単には行きませんね。
先日、昔の文献(30年前)に記述された自生地へ、おおよその見当をつけて行ってみたんですが、
その一帯が大規模農場になってて、湿地は点在するんですが、草木が生い茂り、容易に近付けないし、遠目からも薄紫色の花が見えないので、絶滅したようです。
花が咲く時期なので、咲けば結構目立つ花です。当時でも数株自生と記述があったからので、30年も経つと、人為的開発等の環境変化で、その数株が絶滅した可能性は非常に高いと思います。
その文献には、その後、数ヶ所で自生地が見つかったそうです。それが多分、自生地公表されずに
保護されてる現在の自生地と考えられます。
僕が一昨年、1ヶ所の自生地を観察して思うのは、ヤチシャジンの自生環境は、湧き水が染み出すような湿った草地で、かつ北側の場所と言うことです。現場を地図で確認したら北側を向いてました。
google mapなどで、条件に合いそうな湿地を探索するんですが、自分が知る自生地はいわゆる湿地らしい湿地ではないからね(笑) 湧き水が染み出す草地だから、衛生写真では判断がつかない。
こうなるとヤチシャジンは、もう偶然見つかると言うレベルの野草ですね。
投稿: ミッケタロウ | 2020年8月11日 (火) 13時51分
大変ご無沙汰しております。
ヤチシャジンの探索を今夏も始めました。前回見つかった自生地は知る人ぞ知る非公開自生地で、偶然見つかったのは良かったんですが、人間欲が出るもので出来れば誰にも知られてない自生地を探し当てたいと思い今夏もヤチシャジン探索を新たな気持ちで再出発します。現在にところ、見つかってません。山水が出る湿った所、湿地帯等々、色々と探ってはいるんですが、前途多難です。自生する、自生した地元でさえ発見情報が全く上がってこないので、無謀な挑戦ですが、頑張って探します。
投稿: ミッケタロウ | 2021年7月 6日 (火) 07時06分
こんにちは
今夏もヤチシャジンの探索を開始します。前回見つけた自生地はまだ蕾の状態です。
この場所は人為的に保護されてる(定期的な草刈り)ようなので、人の手が入ってない自生地を探し当てたいと思います。半世紀前のこちらの自生地情報にも個体数が少ないとあったので、そう簡単には見つからないでしょうが、これからが開花期なので、何とか探し当てたいですね。
投稿: ミッケタロウ | 2022年7月24日 (日) 08時44分