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2007年9月16日 (日)

イワギボウシ草姿一考


無名・八丈秩父系」 葉姿・紺地・柄図等、どれをとっても欠点のない逸品で、更に開花した時の葉姿に比した花茎のバランスは僕の理想とする型を見せてくれます。斑入りギボウシのこれからの育種は、斑だけを眺める時代ではありませんね。
ここのところ少しづつですが、季節柄、ギボウシの話題が多くなっています。
園の方にもギボウシを訪ねてくださる方が多くなり、少しづつですが人気も上向きの傾向にあるようです。
さて・・・、今年のイワギボウシ交配の目的の一つに「全体のバランスと姿作り」があります。
如何に良い斑であろうと、如何に珍しい芸であろうと・・・やはり全体の姿無くしては品格は現れません。
如何に美しい姿で完成させるか・・。
それがこれからのギボウシ育種の課題の一つではないでしょうか。
僕の理想とするイワギボウシの草姿は、上の写真の様な姿です。
葉の広がりと1番花が咲いた時の花茎の高さが2対3のバランスが最も美しい姿と考えます。
これは「盆栽」の世界では「黄金比」とされている比率の一つで、横2に対して高さが3、もしくは、横3に対して高さ5くらいのバランスを理想と考えます。
鉢の大きさも含めて、全体の仕上がりが2対3の三角形を作ることを理想と考えています。
ただし、イワギボウシは、産地によって草姿の異なるものが多くあります。
その辺りの事も含めて、今年は色々と考えて交配して見たいと思います。
「理想」は年を追う毎に変化していきます。
「時代」もしかり・・・「流行」もしかり・・・。
何が良い・・等と言う答えは無いんでしょうね。
でも「品格」と「らしさ」、この2つは常に追い求めたいと考えています。

彩の誉」 八丈・多摩の雪・西国羅紗系から作り上げたものですが、花姿や花色は「多摩の雪」の面影を残します。もう少し花茎が伸びてくれれば理想なのですが・・・。上の「八丈秩父」に比べると「多摩の雪」はかなりしつこいホモの遺伝子である事がわかりますね。

無名・武甲系」 武甲系第一人者のTさんのコレクションの一鉢です。武甲系としては余り花茎も伸びずに、葉と花姿のバランスは2対3で僕の理想とするところです。ガクの残るすっきりと立ち上がった花姿は、まさに武甲系細葉種の典型です。

無名・武甲系」 これもTさんの典型的な武甲系です。縞斑の加減はいささか不安定ですが、左右の花茎の下方の蕾は子宝咲きの特徴を見せています。この後に花茎は伸びますので、もう少しコンパクトに纏める交配を考えたいものです。もちろん、葉と花の多芸狙いですよ。

鬼怒川錦」 斜めに伸びた花茎と直ぐに枯れ落ちるガク等、その草姿は最も野生のイワギボウシらしいと考えます。実生による斑入りの発生の良い個体なので、様々な劣性ホモの遺伝子を加えて遊んでみるのも楽しそうな品種ですね。

子宝」 やはり秩父系イワギボウシの第一人者であるSさんの秘蔵品で、この名前で入手しています。全体に纏まりの良い葉姿で白縞の素晴らしい斑なのですが、花茎の太さや長さがちょっとアンバランスです。蕾は天咲きの様に上を向き、ガクも上向きに残ります。羅紗の血を入れて花茎を短く纏めたいと考えていますが、むしろ、「多摩の雪」の花茎の伸びない性質も取り入れてみると面白いかもしれません。当然、多芸品狙いです。
「子宝」のつぼみ」 参考までに「子宝」のつぼみのアップです。つぼみの段階ですでに中が割れているのが解ります。武甲系のイワギボウシの中には、花芽の出始めの頃は丸くボンボリの様に伸びてくるものが多く見られ、それが特徴の一つでもあります。なぜか子宝咲きや奇花を咲かせるものも多く、「ほんとに野生の坪採り??」と考えてしまうものも少なくありません。子宝シリーズは花が咲いて撮影する機会があれば特集しますね。

サイゴクイワギボウシ・羅紗葉」 羅紗交配の元親としては有名なものです。とかく羅紗ばかり注目されますが、羅紗の遺伝子を入れることによって花茎の長さ、花の丸味、全体の纏まりなどを修正する事ができます。実生が多く流通していますが、写真の個体は僕の大切にしている発見された当初に入手した元親で、他花と交配した時の結実の確立は実生よりも元親の方がグーンと高く、良い子供達を生んでくれます。サイゴクだけど・・なぜか「日向羅紗」と呼ばれているようです。
どんなに理想を考えても、材料が無くては始まりません。
育種は・・・最後は「材料勝負」ですね。

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コメント

yamakusa様
八丈秩父系の花の咲いた姿の纏まり様、本当に素晴らしいですね。。私も同じく、これは理想に近いです。
ピックアップされたお写真から、全体の纏まり、それぞれ草姿に合った花茎ということがよーく分かります。
子宝、贅沢ですが、なるほど、花茎が出ると・・・ですね。
さておき、子宝、開花が見てみたいです。

いやあ、いい写真見せてもらいました。
八丈秩父系のごわつき具合がたまりませんねえ。

私も八丈縞と岩牡丹などかけてみましたが縞は出るのですがこんなごわごわしたのは出てないです。
無地でしかんでいるのは色々でるのですけどねえ・・・・

日曜日はありがとうございました。
ここのところ忙しくて山野草熱が
若干冷めてましたが、ギボウシや
雪割草を拝見しましたら、
またムラムラと、否、フツフツと
湧き上がって来るものを感じます。
時間を作って、またお邪魔させて
いただきたいと思いますので、
よろしくお願いします。
ソウソウ、今回はキンポウゲ科の
花を受け取りに参りましたが、
次の本命キンポウゲ科の花も、
伝がありましたらよろしくお願い
します。

横浜H様、こんにちは。
ギボウシの交配は進んでますでしょうか。
「子宝咲き」のイワギボウシには
ある種の系統が在るようです。
先日発売の「マニアックス」でもJ園さんが「3タイプある云々」・・
と、書いてましたが・・・もっとありますよ。
まあ、おんなじ様なところからもってきてますからね・・・
当たり前なんですけど・・・。
サイゴクの元親が開花してきたら、結実の率がぐーーーんと高くなりました。
これから楽しみです。

ハヤシ様、こんにちは。
岩牡丹は北関東産のイワギボウシの丸葉で多弁八重系ですね。
いい親になると思いますよ。
昔、G農園さんが良く使ってました、最近改めて見直したい花ですね。
ギボウシに限らず、どんな植物にも草姿の重要性はこれからどんどん見直されると思います。
鉢栽培と言うのは欧米では余り発展していない、日本特有の文化だと思います。
鉢、草姿、花が一体となって・・・初めて「完成」ですよね。

りーち様、
先日はお疲れ様でした。
りーちの森、楽しく拝見させていただきました。
葉変り・・今年は傷みが多く(数年、植え替えをサボった為・・)恥ずかしい限りでしたが、来春、新葉が揃ったころにでも、是非、見にいらしてください。(ヤッパリ5月頃ですね)
結構変なものがありますよ!!
皆さん、もう雪割草モードに入り始めたようですね。
来春の開花が楽しみです。
花時期には又、是非遊びにいらしてください。

先日はメダカ水槽置き台の件で、突然のコメント大変失礼しました。  返信コメントで安心しました。
私はギボウシ(特に岩ギボウシ)が好きで愛培を続けています。  やまくささんの『岩ギボウシのこれからは、斑芸だけで鑑賞する時代ではない』という考え方に同感です。 やはり花を咲かせる姿が美しくなければ面白くないです。  盆栽の世界での基本形が一番でしょう。  私達の愛好会の一員が最近〔彩の誉〕を入手しました。  これはやまくささんの所で育成された品だったのですね!。  私はまだ現物を見ていないのですが、大変楽しみです。  これからもこちらのブログの書き込みを見せて貰いながら、勉強したいと思っています。    

gibousisuki様、こんばんは。
先日はアドバイス有難うございました。
僕はギボウシは上っ面の事しか知らないのですが、このブログなんかでも、少しでも参考になってくだされば嬉しく思います。
愛好家の方が「彩の誉」を入手されたとの事!!
大切にしてくださると嬉しいです。

これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。

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