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2007年9月 9日 (日)

下野の小宇宙(リトルコスモス)


今市の田園風景」 この田園風景の向こうに小宇宙(リトルコスモス)はありました・・・。
数日前の事です。
「今日、下見をしてきたんだけど・・・結構咲いてるよ!!」
電話の主は、栃木林野庁にお勤めのKさんです。
Kさんは古く、ウチョウランブームの走りの頃(丁度HCKB園さんが「初雪」を公開した頃かな・・・)からの友人で、これまでも裏男体山のコウシンソウの自生地をご紹介いただいたり、日光のウチョウランや色々な植物をご紹介いただいたりと・・・言葉ではあらわせないほどに色々とお世話になっている恩人です。
電話をもらってすぐに従業員達に相談・・「今度の日曜日に出かけていいかなあ・・・」
と・・・言う事で、今回、下野探索に出かける事となりました。
目的地は「今市周辺」、目的の植物は「シモツケコウホネ」です。

北関東に芯赤の珍しいコウホネがある・・・
そう聞いたのは数年前の事です。
コウホネマニアの僕としては、いつしかその自生地を見てみたいと考えました。
色々調べていると・・・その自生はどうも「日光周辺」との事。
それならば・・・と折を見て、仕事柄、誰よりも確かな情報を持っているKさんに、忙しいの承知で連絡をとらせていただきました。
今日、自生地を訪ねる間にも、Kさんは台風の前と後の2回も現地を視察くださり、今回の訪問になりました。

現地を訪れると、先ず、駐車場所の看板が目に付きました。
辺りは普通の田園風景です。

駐車場所の看板
そして、細いカーブを曲がった辺りから、ぽつぽつと目的のコウホネの花が見え始めます。

読んでね!!
そして、その後に咲いている風景がこれです。

シモツケコウホネ」 漸く見る事が出来ました。

シモツケコウホネ」 ニョキニョキと真っ直ぐ伸びた花茎が特徴的です。水上葉が無いので余計に花茎が目立ちます。でも、それより何より、この狭い空間だけがまさに自然のビオトープでした。あまりに完成された自然の姿は、1日見ていても決して飽きることはありません。色々参考になりました。

「シモツケコウホネ」は学術的には「オグラコウホネ」の変種とされています。
自生は現在、南那須町と今市周辺の2箇所が確認されており、この、今市の自生地は幅50cm・長さ30m程の細く狭い用水路です。
特徴としては、何と言っても浮葉形成能力が無く、水上葉や抽水葉は全く見られません。
沈水葉も他のコウホネとは比べ物にならないくらいに細く、おそらくは流れの速い用水路に適応する為に、細く軟らかくなり水に逆らわずに流れ揺れるようになったのだと思われます。
水面から太い花茎を突き出すように長く伸ばして、抱え咲きの花は花芯を紅色に染めます。

沈水葉と花」 紅色に染まった海草のような長い葉が沈水葉です、これ以外の葉は一切ありません。

葉のアップ」 かなり特徴があります。

台風でちぎれた葉」 ワカメみたいです。茎は殆どが中空で、オグラコウホネの変種とされる所以です。

流れ」 こんな感じで、狭い用水路ですが冷たい水が絶えず速いスピードで流れています。この事からかなり豊富な酸素を必要とする植物であることが解ります。冷たく速い流水と豊富な酸素・・鉢栽培は大変かも・・・。
途中で地元の人の話も伺うことが出来ました。
おそらく昔は沢山あったのではないか・・・と言う話です。
ただ、農家の人にとっては単なる用水路の雑草であり、用水のドブさらいや農薬、除草剤、そしてU字溝等の諸々から、次第に消えて行ったのではないか・・・との事が推測されます。
地元の方々のご努力で、現在も増殖活動がされていますが、すでに周辺の用水路はU字溝の計画等もあり、広範囲にわたる普及は望めそうにありません。
止水池実験もしたそうですが、やはり沈水葉以外の葉は出さず、永くこの地において適応した形態であることも確認された様子です。
今朝、この地を訪れるにあたり、我が家の「オゼコウホネ」と「サイジョウホネ」が合わせる様に開花していました。
ちょっと贅沢ですが・・・芯赤コウホネ御三家揃い踏みの写真を載せてみましょう。

シモツケコウホネ

サイジョウコウホネ

オゼコウホネ」 ・・嗚呼・・なんと贅沢な揃い踏み・・やはりオグラタイプなので、花は「サイジョウ」と似ている気がします。
帰りの車に乗ろうとした時、Kさんより1週間前の9月2日の「下野新聞」のコピーをいただきました。
そこにはな・・・なんと・・・・
「シモツケコウホネに雑種・ナガレコウホネと命名」
ひえ~~~~なんじゃこりゃ~~~
どうも下流の佐野や真岡等3箇所で、シモツケコウホネとコウホネの中間形態で殆ど不稔種子というものが見つかったそうです。
ビックリ・・・でも少しは近いから・・これも見てみたいですね。
Kさん、早速情報を集めてくださるそうです。
うれしい・・・。

もしかしたら・・・ただのコウホネだと思って見過ごされているものが・・・まだまだ沢山ありそうな気がします。
「オラんとこのコウホネはなんだか真ん中が赤えぞお・・・」「ほお・・そりゃあー珍しいねえー・・」
そんな感じで次々と新しいコウホネが見つかるかも知れませんね。
見過ごされていた分野が、まだまだありそうな予感がします。

小代行川庵」 すぐ近くにあります。ここのお蕎麦は美味しいですよ!! 開店直後と言うのに人がいっぱいでした。ここでもシモツケコウホネのパンフが置かれていて、町ぐるみでアピールされている様子が伺えます。是非、大切にして欲しいですね。

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