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2012年5月 3日 (木)

ギボウシを創る!!

1 八丈・多摩・サイゴク」 当園作出の八丈羅紗系ギボウシの初期交配で、俗に「C」と呼んでいる個体です。当初「A」~「E」までを選別、「A」はかの「彩の誉」です。「C」はもっともバランスの良い個体でしたが、選別3年目から青葉になってしまいます。それでも「八丈多摩羅紗」系の多くの花の交配親として最も多くの交配を行った個体でもあります。近年、バック吹きによって、青葉から再び中斑を出現、今後もこの系統の親としてはフル回転で活躍してくれると思われる、僕の最も大切な一鉢なのです。

今日は朝からものすんごい雨です。

先に園に出掛けた奥さんから直ぐに電話が・・・
「お店が水没しているよぉ~」
まあ・・・いつもの事なのですが・・・・。

それにしても・・・
こんな嵐の様な天気の水没したお店に、今日も多くのお客様にお出でいただきました。
「今日は誰も来ないだろう・・・」
そう、予想していた中での多くの方のご来園、本当にびっくりでした。
それも・・・他県ナンバーの方ばかりです。
皆様、雨にも負けずに有難うございました。

さて・・・
この時期になると、ギボウシの葉も伸び始めて・・・
今年は昨年以上に芸も上がってきている様子です。

扉写真の「C」は、僕の羅紗系ギボウシ作出のきっかけとなった個体の一つです。
この個体の作出から多くのヒントをもらい、「羅紗斑入り葉」作出の確信を経た個体でもあります。

この「C」は羅紗と言うよりも、むしろ、キャベツ葉的な個性を現してきました。
肉厚で大きく広がった幅広のしかみ葉は迫力があり、この「C」をきっかけに、その後も数々のキャベツ葉ギボウシたちが生まれてきました。

それらをご覧ください。
2 八丈多摩羅紗系」 大胆に入る覆輪が見事な個体です。「神津錦」系の斑入りなので、この系統はやや後冴えです。覆輪部分はこれから乳白色にくっきりと現れてきます。
4 「八丈多摩羅紗系」 これは「C」に近いタイプの芸ですが、葉先の剣に「多摩の雪」の顔がありありです。でも、そこがまたアクセントになって葉芸を引き立ててもいます。ごわごわの迫力ある肉厚葉です。
3_2 八丈秩父羅紗系」 こちらは「多摩の雪」を使っていないので少しサッパリ系です。極黄の紺覆輪はまさに「満月」の様な美麗種です。ここまで来ると葉焼けも怖いので、連休過ぎの日差しには注意が必要ですね。それにしても完成された逸品です。

さて・・・そもそも・・・・
これらの斑入り羅紗葉の構造はどのようになっているのでしょうか!??

基本的に、交配親とする斑入りは「区分キメラ」と考えられるので、あくまで母体優性と考えます。
羅紗葉の場合は「可動遺伝因子」(動く遺伝子・Transposon)によって変化をあらわすものと考えられるので、♀♂どちらでも利用可能と考えます。

この「動く遺伝子」は植物を育種するうえでかなり大きなポジションを占めていると考えられます。
これらを理解する事によって「花粉だけでも充分に遺伝する形質」と言うものを見極められれば、その後の育種にも無駄が無くなるのです。
基本的には形質的な変異である羅紗葉や甲竜葉、斑入りなら曙斑、花変りなら八重咲きや子宝、三蝶、獅子咲き、絞り咲き、覆輪花と言ったものは、すべてとは言えませんが、この「動く遺伝子」によって起こっていることが多く考えられます。

よって「キメラは母体、動く遺伝子は花粉」と考えれば、様々な複合的な芸をもった個体を作出する事もたやすく考えられます。
ただ・・・この「動く遺伝子」は、遺伝子の中に入り込んでも簡単には具現化してくれません。
最近のマニアの方の育種の兆候を見ていると、出来る限り短時間で良いものを作りだしたいという傾向があからさまです。
でも・・・この「動く遺伝子」たちは、そう簡単には本性を見せてはくれません。
それならどうするか・・・・・???(ど~したらいいんでせうsweat01)

と…言う事で、この「キメラ」と「動く遺伝子」を複合させたものが完成し始めました。
今の段階ではこんな感じです。
5 秩父系羅紗縞斑」 「秩父皇帝」系の縞斑で羅紗葉のギボウシです。羅紗地の葉の全面に区分キメラを流し染めた美しい個体です。葉の裏は裏白です。
6 秩父系羅紗縞斑」 「高島A30」系の武甲シリーズの流れを持つ羅紗縞斑です。これも裏白で盃の様な受け葉は纏まりの良い逸品です。
7 秩父系羅紗覆輪葉」 上の写真と同じ系統の交配ですが、葉は「区分キメラ」から「周縁キメラ」に動いて覆輪に変化しています。これも裏白です。葉に丸味が出ていかにも羅紗葉と言う雰囲気が良いものです。

そして・・・最初に紹介した「八丈多摩羅紗」のキャベツ葉に、同様の交配を施すとどうなるか。
その結果がこれです。
8 八丈多摩羅紗・ある程度完成品」 キャベツ葉で中斑で羅紗葉になりました。ここまで来ると殆ど「オモト」ですね。斑の主流は「神津錦」なのでやはり少し後冴えです。今後はさらに「純白八重咲きキャベツ羅紗縞斑入葉」を目指して交配です。これも「動く遺伝子」のなせる業なのでしょうか!??

こんな事を紹介すると・・・直ぐに現物を見に来る方も多いのですが・・・
・・・・・・見せないよ~ん!!

同じ交配をしていても・・・なかなか結果が出ないとお嘆きの方も多い様子です。
よく「あと・・・足りないのは愛情だけ」とはよく言われますが・・・
足りないのは「愛情」ではありません。
欲の深さ」です!!

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コメント

5月2日の午後、すんごい雨の中rain、お店に伺いましたが、ありがとうございました。
かなり久しぶりにお店にうかがえました。

いろいろな植物を手に入れられたので満足しつつ、帰ってから
「育てて楽しむ山野草のすべて」を早速読み直し。

特に予定外で衝動買いしたギボウシは、どれも満足です!!
数年前からギボウシが欲しいと思っていましたが、なかなか気に入るものが無く、
なかなか買えず。数年越しでやっと、買えました。

さらに、バイカイカリソウ、良いです。
気長に待ちますので、ぜひ増殖してください。あれは欲しい。

サンシャインらん展や、交配の話などなど・・・、時間を忘れて聞き入ってしまい、
ついつい長居してしまいました。お忙しいところありがとうございました。

あと、伝市鉢の件は、後ほどメールにて連絡します。
宜しくお願いします。

サンシャインらん展に行ける様に、日程調整をしなければ。。。
もちろん、お店にも、また伺いたいですが・・・いつ行けるかなぁ?

以前「やまくさ」さんに、八丈多摩羅紗系のギボウシを購入しお世話になった者です。

八丈多摩羅紗系を親にしてセルフ交配や、他のギボウシを交配したところ、

今回記事の中の写真のような青葉、中斑、覆輪、縞斑などのキャベツ葉や、

数は少ないですが、秩父系羅紗縞斑も出てきました。親に○○○を使ったからか

覆輪、中斑は少なく縞斑が多いようです。


だから今回の記事の写真を見て、びっくりしてうれしかったです。

キャベツ葉も羅紗葉も成長は若干遅く、最終的にはコンパクトなサイズに

なるのでしょうか?

こちらは今年2年目で親に似たものはもう普通のイワギボウシサイズです。

このギボウシは親に使うと本当に信じられないくらいのバリエーションの子供たちが

出ます。毎日ギボウシたちを見るのが楽しみになります。

改めていいギボウシを送って下さりありがとうございます。

しろくま 様

先日は有難うございました。
ギボウシ・・・なかなか面白くなってきました。
是非、のめり込んでください(笑)

鉢の価格は近日中にメールでご連絡させていただきます。
ご検討ください。

サンシャインも是非お出かけください。
シランい~っぱいでお待ちいたしております。

富士山の麓住民 様

キボウシ、楽しんでいただけて嬉しく思います。
各地でオリジナルがどんどん出来ると楽しいですね!!
良いものを沢山作ってください。

羅紗系はやはりコンパクトで受け葉が個人的には目標です。
急がずにじっくり作るのがコツの様です。
イワギボウシ系は発芽2年目にかなりの率で開花するものもあります。
意外に成長は早いですね!!

芸だけでは無く、草姿や風情、気品や格調等も追求したいと考えています。
欲望は尽きませんね!!

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