« 22000越えなのです・・。 | トップページ | 久々に・・・寝てました。 »

2014年3月25日 (火)

猟奇的な交配・・なのです。

Img_9961 「更紗友禅」 「赤星・鉄心」系の交配から生まれたイイトコどりの紅白絞り乙女咲きです。「紅すだれ」とは異なった面白さを持つこれら「鉄心」から生まれる一面は、今後、より多くの方に楽しんでいただける芸へと変化していくと感じています。「鉄心」は欠点もいっぱいですが利点も沢山あるので、それだけに作りがいのある花でもあると考えています。

今日はポカポカと言うよりも汗を感じる程の暖かさでした。
こんな日は花の進みも一気に加速しますが、絶好の交配日和でもあります。
予定していた「テンテン三段咲き」の交配には絶好の日和なのです。

交配は順調に進んだのですが・・・
暖かさのせいか、ルーペを覗くとすぐに花粉だかPM2.5だかが付着して見難い1日でもありましたね。

さて・・・
この「テンテン三段咲き」こそが、僕の最大の難所の一つです。
それはなぜか・・・!??

実際、これまで自分で作出した花や、雑誌等で拝見する「テンテン三段咲き」に・・・
どれ一つとして納得のいく花が皆無である・・・と言う事です。

たしかにテンテンの出方は様々で、とても美しい花たちも数多く見られます。
ただし・・・三段弁の変化などに「三段咲き」として確立されているものが余りに少なくも感じるのです。

当園では、「大輪テンテン三段咲き」の作出には2つの大きな壁が存在します。

一つは・・・「テンテン三段咲き」の源になる「素心花」の存在です。
雪割草には意外にも「完全な素心花」が少ないのです。
また・・・交配に使う「素心三段咲き」にどうしても「銀世界」を使う頻度が高くなります。
野生種で唯一、素心三段で花粉を吹かせる事が出来る個体だからです。
そのために三段弁のボリュームが稀薄になり、花もこじんまりと纏まってしまいます。

もう一つは・・・
これまで紹介されている「大輪系素心三段」の親とテンテン花が馴染みにくい事です。
これまでも数多くの「大輪テンテン三段咲き」の交配を続けていましたが・・・
最終段階で「大輪」と「テンテン」を絡めると多くの場合「泥軸」になってしまうのです。

「大輪」と「テンテン」、この2つの不協和音を重ねてみたい・・・
これが、数年前から行っている当園の「大輪テンテン三段咲き」作出のカギなのです。

この花の作出は一筋縄ではいきません。
当園では多方面から「猟奇的」「物量的」に組み合わせて行く事を考えました。
これは・・・昔ご紹介した白覆輪段咲きを作出した方法と同じ理論です。

まずは基盤になるタネ親。
これは・・・これまでの「銀世界」を基盤とした三段交配に加えて・・・
新たに大輪三段咲きと純白花との交配から分離させたものを加えています。
ここで新鮮な素心系の♀親を選別して、更にテンテンを加えてまた♀親を選別します。

♂親はこれらの交配過程で作出できた花の中で、特にテンテンの美しい個体を選別していきます。
また、これまでの「テンテン三段咲き」から新たなF1を作り直して、その中でテンテンの美しい個体を選別していきます。

こうして様々な組み合わせを最後に混ぜ合わせる事によって、
最後の段階で何個体青軸テンテン親が完成するかを確認します。

これまでは多く場合・・・
この段階で生まれてくる殆どが泥軸になってしまうのです。
長い年月をかけて交配しても、親を作る最終段階において必ずぶつかる壁なのです。
要は・・・ここで初めて「何本、青軸テンテンが選別できるか」と言う事なのです。

ここをクリアできれば・・・
あとは、選別出来た「青軸テンテン」同士を交配すれば・・・
大輪でテンテンの美しい三段咲きを作出出来ると考えます。

現在は・・・まだこの途中段階。
何本、青軸テンテン三段咲きの親が拾えるか・・・と言ったところでしょうか。

ちなみに・・・
言葉では解り難いので、今日やっていた交配のプロセスを簡単にご紹介します。

Img_9983_2
この花は、テンテン三段咲きで花粉を吹く親の一つ「香小町三段」です。
今日は予想通り、余りの暖かさに花粉をバンバンと吹いていました。
F1作りには最高のチャンスですね。

Img_9963_2
この花は「テンテン二段」交配から生まれた「天の黙示」です。
これだけくっきりとしたテンテンはなかなか無いので、今日は上の「香小町三段」のF1作出用に♀親として利用してみました。
稀に花粉を吹くので、花粉の出る前を確認して必ず除雄をします。

Img_9980
この様にして以前交配した「香小町三段」のF1です。
F1は出来るだけ多く作りますが・・・最低でもこの花程度のテンテンの散ったものを選別します。
このくらいのテンテンが♂親に出ていれば、♀親にはテンテンが少なくてもたいして問題はありません。
♀親にはむしろテンテンよりも、弁化能力や花の大きさ、花型などを重視して親を選びたいものです。

Img_9978
これらはすべて、本日「テンテン三段」交配の為に集めた♀親たちです。
いずれも・・・これまでコツコツと大輪系とテンテンを重ね合わせながら作出した青軸三段咲きの♀親たちです。
今日は・・・これらの♀親たちを鉢とポットを合わせて50品種以上も揃えました。
そこに、前記の三段咲きの花粉やF1等を交配して次のステップに進んでみました。

Img_9991
この花は、これまでこうして交配した中で選別した「大輪系テンテン三段」の♀親です。
漸く・・・この雰囲気でこの花型、そして大輪で少しでもテンテンの残る♀親が、少しづつですが完成してきました。
ここまでくれば・・・次のテンテン三段やF1との交配によって「大輪テンテン三段咲き」作出も可能になると考えています。

こんな感じて・・・今年も「猟奇的な交配」は続いています。
その甲斐あって・・・現在発芽している昨年タネを蒔いたカイワレからは・・・
これらの交配で青軸テンテン系の芽出しをしたものがかなりの確率で発芽しています。
相変わらず・・・泥軸になってしまう組み合わせもありますが・・・
それでも、青軸テンテンの発現率が、かなりの確率で見られるようになってきました。

チョットづつ・・チョットづつ組み立てて行くのも、交配の楽しみの一つなのです。
長生きしなくっちゃぁ~。

今日で915交配です。
明日は少し天気がぐずつく様ですが…まだ何日かは交配が出来そうです。
が~んば。


そうそう・・・
今日は僕の誕生日です。
娘がバイト先でケーキを作ってくれました。P3250010
美味しかった・・・。

« 22000越えなのです・・。 | トップページ | 久々に・・・寝てました。 »

「園芸」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 22000越えなのです・・。 | トップページ | 久々に・・・寝てました。 »

2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ